うつ病の仕組み
2013.10.27放送NHKスペシャル「病の起源 うつ病」によると、うつ病が発症するメカニズムは次のようである。 扁桃体が活動を活発にしてストレスホルモンを放出 全身が緊張状態になる 脳内で脳細胞の結合に必要な栄養素が不足 ウツ症状を発症 扁桃体がなぜ活発になるかというと、以下の要因が分かっている。 外敵の存在(人類にとっての肉食獣や怖い上司、暴力をふるう家族やクラスメート) 孤独(孤独な状態だと不安が増して扁桃体が活発になる) 記憶(トラウマを残すような直接体験) 言葉(情報を通じて入ってくる他人の恐怖体験や巨大リスク) アフリカのサバンナで狩猟採集生活を送る「ハッザ族」はみんなで協力して捕った獲物は、捕った本人、大人子供男女の分け隔てなく、「平等に」分ける。平等の状態は扁桃体がストレスホルモンを出すような活発さを示さないことがMRI診断等で分かっている。逆に、他人よりも多かったり少なかったりする、不平等の状態では、扁桃体が活発となりストレスホルモンを分泌する。 さらに、信頼の置ける仲間との社会的なつながりの中でおこなう規則正しい生活、栄養バランスの取れた食事、定期的におこなう適度な運動も、扁桃体の安寧に効果的それ故、うつ病患者の治療に有効だ。 この結果私は今世の中で一般的におこなわれているさまざまな、次のような(資本主義的な観点で合理性に欠ける)活動はウツに効果的だと思った。 大きな政府(再分配機能を補い、弱者と富める者の差を小さくして、社会的平等感を高める。ただしムダ遣いや官僚、為政者の強欲によって機能を歪められていない) 透明性が高く、みんなが納得する、非競争的原理で決められた給与 お祭り(孤独感を緩和。医者も、非技能工も同じように御輿を担いだりする) 成績の非公開(特に公立学校で。知らないほうがいいこともある) 生まれつき、脳の器質的な傾向から、扁桃体が活発になりやすい人がいると思う。そうした人は、うつ病になりやすいのだから、なるべく意識的に穏やかに暮らすべきだろう。具体的には、公平で平和的かつ愛情深い家族や友人といっしょに、規則正しく暮らし、恐怖感をあおるようなメディアには接しないで、適度に運動し、短い時間だけ非競争的かつ自分のペースでできる専門職の仕事をおこなう。 番組では、次の順にうつ病が