NHKスペシャルマネーワールドも「BIしかない」

NHKスペシャル マネー・ワールド~資本主義の未来~第2集▽仕事がなくなる!?
見た。

このブログで再三話している結論になった。たぶんプロデューサーやディレクターが読んでいる本が私とかぶっているということだろう。その結論とは、今後数年から十年程度のあいだに、ほとんどの人の仕事、とりわけホワイトカラーや専門職(会計士や弁護士など)の高給取りの仕事がAIに代替される、というもの。だから、政府はベーシックインカムの政策を何とかして実現しないと、社会不安となってヤバいぞと。人が死ぬ事態になるぞと。そういう結論だ。

今、すでにベーシックインカム状態になっている人というのは日本にも至る所で目にすることが出来、またその数は増え続けている。それは誰かというと、年金生活者や、相続地主(アパマンで家賃収入で暮らしている人)、創業株主とその係累等、(中小)企業のオーナー代表者のことである。

そういう人たちが、はたして、面倒な仕事の全部を近隣植民地から引っ張ってこられた奴隷に丸投げし、自分たちは不労所得で自由を満喫したローマ市民と同じように暮らしているのかどうなのか? 私は実際のところは分からない。人によるだろう、それは。そんな、何百万人もいる人のかたまりについて、どう暮らしているか、況んやローマ市民とくらべてどうかなど、分かるわけがない。

ただひとついえることは、こういう不労所得の人たちが、たくさんある時間を使って、よりよい社会を作り出すために文化や哲学思想を深めて、ルネサンス時代のような豊かな社会状況になっているのかどうか。良い政治家を選んで、前世代が将来に向けて希望を持てる世の中にしているのかどうなのか。国際的なさまざまな指標を見る限り、日本は残念ながら恥ずかしいほど低いレベルにとどまっているというのが私の印象だ。

それはそうと、AIでは昔の産業革命時代のように、ブルーカラーの仕事を奪うということではない点に注意が必要である。昔は、イノベーションによって、一部の雇用がうしなわれはしたものの、新しい雇用がまた生み出された。しかし今回は違うというのがもっぱらの学者たちの見解だ。

私は都合により、この4月頃からプログラミングの勉強をはじめた。もともとVBAとか、PHPとか、pythonとか、ちょこちょこ必要なものはかじってきたが、今回はウェブサイトのフロントエンドでは欠かせないJavascriptの勉強をした。その結果分かったことだが、ある程度のやりたいことについては、プログラムコードも、デザイン部品も、ネット上で無料でいくらでも公開されているということ。自分でコードをガリガリ書く必要はまったくない。デザインも、昔みたいにイラレだのフォトショで、グラデーションをちょっとずつ変えたボタン画像を4パターン用意する必要もまったくない。

とにかく、ちょっと勉強すれば、まあそれなりのことはサラッとできるようになるのが今の時代である(その割には、エンジニアの人材が不足しているというが、それはだいたいが、すでに作られたシステムの補修をしたり、部分的な部品を組み込むといった、そういう内容の仕事がほとんどだろう、つまらなさそー)。

ただ、Javascriptにせよなんにせよ、たしかにオープンソースでタダであれこれリソースが手に入るとはいえ、なかなかたいへんな道のりだ。まず基本、英語が分からないと厳しいし、キーボードを高速で叩き続ける体力、ブラインドタッチの技量、さらには、プログラミングだけ知っているのではなくて、サーバーとか、ウェブサービスとか、ネットワークとか、チョロッとずつ広くあれこれ知っておく必要がある。それらの情報は常に新しくなり、古い技術は使われなくなるし、プログラミング言語もものすごい数があり、またそれぞれに無料の部品(フレームワーク)の流行がある。おまけに、フレームワークが簡単でタダとはいえ、フレームワークの「使い方」はこれはこれで、知識ゼロというわけにはいかず、一定の学習期間が必要になる。

まあだから、このNHKスペシャルでも識者が言っていたが、ほとんどの人はいきなり明日からプログラミングとか、AIに代替されない仕事領域に「挑戦」するなんて芸当は難しいというのがまっとうな予測となり、じゃあそういう人たちの生活は誰がどうやって面倒見るのってときに、ベーシックインカム、ということにならざるを得ない。

番組に出演していた孫正義は法人税を上げてもいいのかという質問に、微妙な答えをしていた。つまり、法人税を上げると、企業は外国に行ってしまう、そうすると国はどんどん衰えていく。だから、まずは若い人や、企業も、新しい領域にどんどん挑戦して、このAI時代の覇権を狙っていかないと絶対にダメだとワーワー言っていた。それはそれでもっともだが、イヤそれ、できるひとすくなすぎるでしょ?!という話しで、だからベーシックインカムなのだ。

孫氏は、ベーシックインカムに賛成していたが、財源は、まずは日本がAI覇権を握ったあと、法人税を上げてそれを充てれば良いみたいなことだったかとおもう。ただ、今AI覇権を握っているアマゾン、アップル、フェースブック、Googleは、みんなタックスヘイブンに本社を置いている。日本の企業が、孫子が言うように、いざAI覇権を握ったと仮定して(それ自体があり得ない話しなのだが)、ベーシックインカムのために再分配にまわして下さいと、法人税爆上げを飲み込むのか? 私は飲み込むとはとうてい思えない。AI覇権を狙う日本人は、さっさと海外に行って、タックスヘイブンに法人を設立し、世界規模で仕事をするに違いない。それをいったらお終いだから、番組は、イマイチ訳の分からない形で終わったけれども…。とにかく、孫子が言うように先にAIではなくて、さきにBIだろう。財源はアマゾン、アップル、フェースブック、Googleに巨額の課税ができるよう、タックスヘイブンを全部閉鎖すれば良かろう。そのように、先に連中の逃げ道をふさいでからでないと、ベーシックインカムはいつまで経っても進まないと思う。

孫氏は、法人税をすぐに上げると、海外に法人が逃げて行ってしまう、だから、その前に国が力を付けて云々、そのためには、若い人がどんどんイノベーションにチャレンジしよう!といっていたけれども、私はここで、論点すり替えを見た。先程来繰り返しになるが、「海外に法人が逃げることができる構造」をまず何とかしようと、まずはそこをやらないと行けない。孫氏はなぜ、それを番組で言わない? パナマ文書に名前が出ていたからか?(ここ不確かです)

あと、近くにイノベーションインキュベータみたいな施設(小金井市事業創造センター、通称ko-to)があるが、間違いなく言えることとして、このイノベーション施設から、アマゾン、アップル、フェースブック、Google級のなにかが出てくるまでには数百年はかかる気がするのは、近隣住民の私ならではの観察に基づく正しい予測というモノだ。孫子が言うように、AI覇権(日本は完全に遅れている)を取りに行くなんてのは、マジで無理、アンタだって、よそのすでにある会社を買うばっかりじゃないかとツッコみたくなる。アンタにできないことが、「これからの若い人たち」にできるわけがない。

孫がけしかける、今の若い人たちの状況は、孫子が若い頃とはまるっきり違う。AI覇権を狙うなんてのがなぜ非現実的か。彼らが背負う年寄りの数を見てみよう。彼らの肩には、昔は7人くらいで分担してきた高齢者の生活費を、今や2人くらいで負担している。たった2人の若者の肩に、働かない高齢者ひとりが乗っかっている。しかもここ20年以上、若者の給与は下がり続けている(企業の人件費にまわす分が減り続けている)。そういう状態の中で、アップルだのグーグルを目指せってそれ。おかしくないか? そんなヤバいドMたちばかりじゃないぞ、若者は。

今若い人(現役世代)は、給料のおよそ20パーセントを健康保険料や年金で持っていかれている。そしてその4割は、高齢者の医療費のためだけに使われている。同じ割合で、会社も負担している。このように、若い勤労世代からお金を持ち去って、相続地主にも、株主にも、豊かな高齢者にも分け隔てなく年金が配られ、医療費が給付されているのが今の日本の現状。ある意味、ベーシックインカムよりたちが悪いと思う。

多くの若者は給与明細には関心を注がない。漢字で意味不明の、見慣れない項目がたくさん並んで書いてあって、何がどうなっているのか見ようという気がわかない。そんなの見るくらいならスマホいじくっていたほうがよほどたのしいし、月末にお金が振り込まれればまずはオッケーで細かいことまで気が回らないのだろう。

ただ、私にいわせると、「神は細部に宿る」。細かくて面倒なことにこそ、本質的で重大なことが往々にして含まれている。突然仕事を失って、えーこんなだったのかと騒いでも後の祭りだ。

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