消費税についての本質的な発見を2、3点

今日は武蔵野税務署管内の青色申告届出法人の経理担当者向けの法人税・消費税申告説明会があった。私は葉書をもらったので行ってきた。法人税担当の税務官の講習を2時間受けてきた。で、気がついたことを短めに、2、3点申し上げる。

その前に、消費税のきほんをおさらい。

Q.そもそも消費税とはなにか。

まず大前提として。消費税は付加価値税っていう人もいるけど、本質はそうじゃない。本質はあくまで消費税。なぜって、結局負担するのは、「消費者」(最終的にそのものやサービスを消費する(おもに)「個人」)。消費税を払うのは、負担するのは、企業ではなくて、自然人、個人。言い換えよう。消費税を負担する主体は、組織ではなく個人。

A.消費税=(国や大法人が)庶民を殺す税

「企業より、個人のほうが強い。カネもある」 そう思っている人は手を上げてください。ハイあなた間違えています。ダメです。戦後、ちょっとだけ、そういう時期が合ったかもしれないけれども、資本主義の欲望マシンが、メディアと心理学を操作して、個人は骨抜きになってしまってからはもうダメ。法人とくらべると、個人というのは今もっとも立場が弱い。笑っちゃうくらい。もちろんこれ、資本主義のせい、これは。格差がどんどんでかくなって、金を持っている連中(創業株主たち)、大企業、アメリカ、こいつらが、もうオバケかってくらい巨大化してる。そして、うちら一市民、一般庶民は孤独で、弱く、残念で、すべての力を奪われ、自己意思決定すらできない「愚衆」になってる。中間層が消えて久しいけれども、この消費税増税と後述するインボイス制度によって、政府による中間層のジェノサイドは完結する。

そういう、いちばん金を取っちゃいけない層から、いちばん金を取る、反道徳的な、嘔吐しそうになるほど逆進的で決定的に間違った、殺人税制、それが消費税

ダメ絶対!

消費税額はなにか物やサービスを、対価を得て給付した(有り体に言えば、売った)ときに、売値(本体価格)の8%とか、10%を、買い手が売り手に払う。

それで、売り手は、買い手からもらった消費税額を、税務署に納める。自分の懐に納めるのではない。たとえていうと、100円のペンを売ると、買い手からは110円がもらえる。もらえるとはいえ、10円はあとで税務署に納めないといけないもので、仮に受け取った消費税、つまり受消費税である。借り受けではなく、仮り受け。借りたんではなく、「仮」に受けただけ。受けたひとのカネじゃもちろんない。ただ、消費税制度がこの国で始まって以来、仮り、なのに借りたものと混同しちゃって仮受けたものを返せなくなってしまう人が少なくないといわれている。

さて、話を戻すが、10円をそのまま、税務署に納めるのかと思いきや、違う。売り手が売った、ペン。仕入は50円だった。仕入れるときも当然消費税がかかるので、買い手は、仕入先に55円を払う。5円は、支払消費税。

この場合、税務署に納めるべき消費税額は、10-5=5円となる。仕入れるときに払った消費税を、こうしてひくことができる。この手続きを仕入税額控除という。

どうでしょう? 仕入税額控除って言葉。これがじつはとても甘美で極めて重要な手続きとなる。ちなみに、仕入税額控除があるから、結局、消費税を負担するのは一番最後の消費者になる。仕入税額控除は消費税が消費税であるために必要な、本質的な計算になる(いちばん最後の消費者だけが、仕入税額控除ができない=つまり消費者が負担する税、消費税)。

ここで、ヒトコト。ザックリ、いろいろなことを切り捨てて単純化して話してます。クレームは一切お断り。自分の媒体でいえばいいと思う。これは私の媒体なのでよろしく。

ちなみに、消費税がかからない取引がある。寄付。だから私は訊いた。みんな1円で一人法人を起業して、寄付ばっかりして、仕入税額控除を、仮受消費税にくらべてつねに大きくし、払った消費税を全部取り戻す、全国民が。そしたらどうなる? できる? そしたらなんといったか。

寄付ばっかりするのは、利益を追求する法人の成り立ちとしてはおかしく認めがたい。過剰で常軌を逸した寄付は売上とみなすって一般社団法人ならいいのだろうか?


一般社団法人でも、もちろん収入のうち、課税対象売上が95%以上であれば、仕入税額控除ができる。だからまた税務署に質問した。日本国民が全員一般社団法人をつくって、チマチマと売り上げて、そして莫大に仕入れて全部寄付して赤字化し、還付請求したらどうするかと。そしたらそんな法人はそもそも収入がないわけだから成り立たないだろうって鼻で笑われた。国税庁の職員は、思考実験にはあまり付き合ってもらえないようだ。きっと彼らも忙しいんだろう。彼らを無粋な奴らだというのはやめとこう。悪いのは彼らじゃない。

でわたしこれ聞いて思った。何しろ私は熱心なツネキスト(大西つねきに共鳴する人)なんで。松尾タダシスト、といってもいい。あるいは山本タラーとか。何でもいいかそれは。で、トヨタ自動車とか、輸出企業は、莫大な額の還付金をもらっている。なぜなら、海外に輸出したものは仮受消費税が得られない(消費税は日本国内の取引にかかる日本の法律)。でも、仕入のときは消費税を払っている。還付というのは、輸出した物のために仕入れた、その仕入で払った消費税額、仕入税額控除後の税額がマイナスになった部分のこと。

輸出企業の還付。これはいいという。しかし、ちょっと待ってほしい。寄付はダメで、輸出ならいい。これはおかしい。なぜか。輸出もアメリカさんへの寄付みてえなものだろうってことだ。つまり輸出=寄付だろうと。営利企業のやることじゃないだろうって。輸出企業がものを輸出して(日本人や従業員の)利益になるならいい、営利企業だ。でもこれが1ミリもドメスティックな利益になっていないだろう? 違うか? ドルのまま受け取って、ビビっちゃって円に替えられないだろうって。もう何十年もそうだ。ヘタに売って円に替えることはできない(円高になるしそもそも怖いから売れない)。で、売りっぱなし、ドルのまま。ドル建ての内部留保とか、海外投資ばかり膨らんで、日本やその会社で働く従業員の利益にはちっともならないだろう。これはアメリカへの寄付といわずしてなんという。だったら寄付だけの会社だっていいじゃないかっていいたい。

次。真打ち登場、インヴォイス制の導入

令和5年から、売り先が仕入税額控除をする法人だった場合、かならず課税事業者になって、インヴォイスを発行しなければならない。インヴォイスには、インヴォイス発行者番号を振る必要があり、それには届出がいる。その用件として、課税事業者になること、とされている。

すると、これまでずっと1000万を下回り、免税だった小規模の事業者で、いつも大企業になにかを納めていたような会社=つまり、客先が仕入税額控除している課税事業者だった法人はヤバいことになる。1000万を下回っているから消費税とは無縁だったのに、課税事業者にならないと、取引先企業に切られることになる。

これについては、当局はこういう言い方。つまり、自分のところの物やサービスを売るときに、インボイスを出す必要があるのかないのか。それを取引の際に判断材料にする必要はあるだろう、と。で、それまでずっと仕入税額控除する先にだけ売っていた免税事業者は、令和5年以降もずっとその取引続けたいなら、課税事業者になって、インヴォイスをつくって、消費税も納税して、ってやらないとダメだよと。ただこれ聞いて思ったが、今は大企業になにか売ってる小さい会社なんて実際のところそんなに多くないのかもしれない(だからこのブログは針小棒大かもしれない)。それに、インヴォイスが嫌だからといってすぐに事業が終わるというのはそれは違う。やり方はいくらでもあるだろう。インヴォイスなしで法人が生きていくやり方はたとえば、売り手も書いても免税事業者になっしまえばいい。そういう、売上一千万未満の小さいユニットに法人を全部分割して、小さく均衡するってのはそれはそれでむしろいけてるかも。

長年、消費税申告とは無縁だった、こういう小さい会社にとって、消費税の申告(しかも本則課税並みの煩雑さ)が降って湧いてくるとどうなるか。部品加工企業とか、ちょっとした清掃会社とか、弁当やさんとか、そういう中小企業はたいていは人件費で赤字にしてある。だから仕入税額控除で還付に持っていくのは不可能だろう。すると、消費税申告という鬼のような事務が増える上に、当然、売上一千万下回っていようがなんだろうが、問答無用で消費税も払う必要がある。

想像できるだろうか。冗談言っちゃ行けないのでは? 数百万社はあるといわれる、日本の中小零細の万年赤字企業で、めちゃくちゃ細かいインヴォイスをつくる。消費税申告書をつくる。そして、入った現金を右から左に人件費で支払って消えちゃっている万年赤字零細社長が、きちんと消費税だけは分けて貯蓄しておいて、納税するって???? どこのファンタジーだよそれ!! 絶対にあり得ない。これ間違いなく日本爆死だろう。書類はまあいくらでもクラウドで作れるようにはなるだろうが、仮で受けた金を別枠で保管するってのがこれが人間(というか資金繰りで苦労する日本の社長の皆様)の本性に反するのでね。

これ、この理解(インヴォイス制で大炎上確定)で間違えていないかと、いちおう、演台に歩み寄って税務署の担当者に質問したら、そうだそのとおりだと。

合っているって。日本爆死間違いないって、いったー!

オーぱちぱち。で、私は、配られた資料のこの部分に、講習中に「激辛」と書いておいた。激辛、っていう字を、担当官に見せて、あの、これって、「激辛」じゃないですかっていったら、「激辛ですね(笑)」だって。

「激辛ですね(笑)」by武蔵野税務署税務官

まあ、笑うってのは、この激辛事務が自分にも降りかかることを想像してマゾヒスティックに笑うしかないわけで。彼も。もう笑うしかないんだよ。ノリがいい公務員、ちょっとマゾで、誘導尋問にハマってくれるナイスガイの丁寧な仕事(cf.アイヒマンbyハンナ・アーレント。ググって調べよう)とともに、この国、間違いなくあと数年で、そう、たぶんインヴォイス制がはじまる令和5年をもって、沈没する

笑いながら、みんな沈没しよう。前向きな政治運動のために(たとえば候補者擁立を一本化するとかそういうことで)一致団結できないんだったら、バラバラのまま、この船ごと滅びるしかない。

ちなみに、安倍総理が、202?年(わすれた)までに、今国民の13%しか持っていないマニアックでフェティッシュなアイテム、「マイナンバーカード」を、100%に持っていくって言った。これはもちろん、貧困化した国民に生活保護を「リコメンド」するためのとってもやさしい日本政府の神対応の準備だから、これだけは素直にマイナンバー、私は激推し(もちろん持っている)。もう、通帳から金融機関、健康情報、家族の何もかも、全部番号でヒモつけて透明にしちゃってオケー、背に腹は替えられない。持っていない人は明日役所へGo! 最近は都会の駅の証明写真機からも申請ができるようになっている(気がする)。調べて。

マイナンバーカードを持って、安倍総理の「お友達」になろう!

このブログの人気の投稿

宮台真司まとめ

One Voice Children's Choirについて