家事労働が無給であることの正当性は失われた

生まれてこの方、掃除とか、選択、そういう日常のあれやこれやが嫌いでした。高校では、業者に掃除させろ、納税者が言っているんだ、などと言って親もろとも呼び出されました。予備校では、講師に人権侵害だと(理由は忘れたが)ヤジって以来、「人権クン」と呼ばれるようになりました。

大学では、西洋哲学史の講義を、寝坊で1日欠席したために単位を落とし、まったく同じ内容を2回受けました。その結果、私の「人権クン」化がさらにエスカレート。

ちょっとでも面倒なことがあれば憤懣やるかたない気持ちで人権侵害だと呪詛するように、というのはまあ、誇張です。それはありません。幸い。そこまでひどくない。そりゃそう。笑顔いっぱい、感謝感謝の毎日です。家族に感謝、お客様に感謝。お天道様に感謝。まあこれもウソでね。ここまでイッちゃってない。

話を戻すと、まあホッブス、ロック、ルソーあたりが数百年前(16世紀)に人権だとか、社会契約とか、今の各国の人権や憲法、国際条約等の規定になる考え方を出してきました。

ところで、前世紀の中頃、ゲーム理論というのが出されて。進化生物学も、ゲーム理論で説明する人も出てきました。

もちろん、数学がまったく分からないので、細かいことは分からないんですが、チキンゲームとか、コーディネーション、そしてタカハトゲームなど、うっすらとはだいたいわかってきました。皆さんも、是非Googleで検索してみてください。楽しいですよ。

検索するのが面倒な人のためにゲーム理論のエッセンスを一言でいえば、個体がその都度自分の利益を最大化するためにする判断は、結局社会全体から見ると必ずしも最善にはならない、とか。タカハトのケースでは、たとえば男性が女性に対してマウンティングしてドヤり、家事を女性に押しつける代わりに、外ではたらいて稼いでくることが結局その世帯の利益を最大化するとか。みんなが使い出したという理由で、実際の価値は二の次で、ベータじゃなくてVHSになるとか。

まあ何となく、今の地球上の諸問題の多くが、このゲーム理論で薄ら寒く説明ができましたって話なんです。

で、問題なのは、なるようにしかならないあるいは、いちばんこうするのがいいんだーって、その都度個人個人が判断していったとしても、実際はその個体を含むコミュニティーあるいは環境全体にとっては不都合が積み重なる。人権侵害の状態がずっと続く。こういうのはよくあると。で、どうするか。ゲーム理論の学者はなんといったか。そういう問題を解決するのに。

ガチッと、状況が固着して動かなくなる様子を「ナッシュ均衡」と言うんだけど、まあナッシュはいいとして、均衡していると。動かない。どうにも固まってしまって、変化しない。みんながやっているから。ずっとそうだったから。そういう理由で岩盤みたいになってしまう不都合な事象。そのまま、破局に向かってどーんと突き進む。あるいは、抑圧された個人の人権がないがしろにされたまま、社会全体は何となく過ぎていく、見たいな。

この均衡を打ち破る方法。あるのかないのか。あるんです。なんと、「ルールを変えればよろしい」だと。

なるほど、だからゲーム理論なんだー! ゲーム。つまり、プレイヤーがあるルールに基づいて勝負する。そのルールを変えればいいと。なるほどそりゃそうだ。

サービス残業だって、経営者への罰則付きの労働法制を導入すれば一発でなくなるだろう。従業員がサービス残業したら、警察沙汰。裁判になれば確実に負ける。ルール変えるってたとえばこういうことだ。

ってことはだ。

私が残念で泣きそうになって毎日やってきたこの家事育児労働の問題。これまでのルールは、「無給でやれ。なぜなら配偶者が稼いでくるんだから」。いやでも、稼いでくるったって、シングルマザー(ファーザー)とか、失業したらどうするのか。働き過ぎて身体壊したら、その家はどうする? 仮に元気ではたらき続けられたとしても、男性稼ぎ手の給与所得(労働分配率)は、日本でこの20年、下がり続けているんだけど。というわけでもう、家事をやる人の無給の正当性は、完全に失われてるんじゃないのかって。風前の灯火だよ。なくなっちゃったんだよ。

ルール変えましょうよここで。つまりベーシックインカムしかないだろうよ。

まとめると、300年以上前から人間はダメだった。しかし徐々に、ましになってきてはいる。人間の本性を客観的に見つめ、科学の数式を駆使して法則を発見できた。あとは社会をよくするにはルールを変えればいいってことが分かったんだから、実行あるのみだろう。ベーシックインカムしかない。

曲は「私がおばさんになっても」。歌詞を聴くとどこのいつの時代のなんの話なのか…。めまいがする。私が高校時代、人権クンと呼ばれていた頃に愛聴していました、ごめんなさいありがとうございます。曲と、森高の謎のダンスが脳裏にこびりつき病みつきに。同じ音楽を繰り返し聞きたくなる理由についてはこちら


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