岐阜の現役高校2年生、3月にはじめて11月で15万人に


最近、高校生がめちゃくちゃ面白い動画を出してきている。そして、あっという間に何万人ものチャンネル登録者を獲得し、ユーチューバーになっている。

わたしが17歳だったころはどうだったか。わたしが17歳だったのは1980年代の終わりころで、映像メディアは地上波テレビのみ。VHSビデオテープで好みの番組を録画してみるのが主なメディア視聴シュタイルだった。

2000年頃に私は水越伸先生のメディア論の講義をなにかで見て、メディアリテラシーという言葉を知った。メディアリテラシーは、次の4つの技能のこと。
  1. メディアを見ることが出来る(インフラレベル)
  2. メディアを理解出来る(たとえば英語圏の人は英語のメディアが理解出来る)
  3. 自分も発信出来る(メディア側に立てる)
  4. わすれた、たぶん、メディアを俯瞰的に見て真偽を正しく判断出来る知性とかそんなんだったかな?!
メディアリテラシーというのが重要なのは知っていて、その中に、「発信力」が含まれることに驚いた。というのも、当時はメディアは第三の権力と言われていて、メディアであること=力(パワー)だったからだ。パワーがあれば、金も、人も、支配下におけ、自分の自由は高まる。そのパワーを獲得するためには、やはりメディアリテラシーを高めることが不可欠だが、発信する力も当然のごとく含まれている。逆にいえば、テレビや新聞など大手メディアではなくて、ミニコミであったとしても、発信出来るわけで、発信出来るってことは権力を手に出来るという意味になる。ここに私はロマンを感じ、ミニコミ誌を作ったりした、実際。あーなつかし。

そして、子どもが生まれて家事育児決算申告などのアンペイドワークに忙殺されること20年。ようやく周りを見渡してみるとどうなっていたか。

表題のような驚くべき事態が眼前に展開していた。17歳とかの素人が、今日収録して公開した動画がわずか数時間で数万人もの人に見られ、月に数十万円の収益を手にするのはめずらしいことではなくなった。同人誌を作って、「力」(フォース)を手に入れようと夢見た若者はもう浦島太郎である(ホントは領太郎だが)。何しろ、20年前なら同人誌を作って、新宿のもさくしゃとか、中野のタコシェとかに持っていったりあるいは、地方小出版という取次に委託販売してもらってちょこちょこ(以下省略)。とにかく、何か表現してそれを実際に受け取ってもらうために膨大なコストと時間がかかり、しかも受け取ってくれる人数なんてせいぜい多くても数百だった。それが、YouTubeだとわずか数時間で数万人に届く。(゜Д゜)=驚き以外の何物でも無い。

わたしが20年以上前に夢見たこの力、フォース、メディア権力を獲得しようと、人々はYouTubeでしのぎを削っている。竹花貴樹という東村山のヤンキーが、嘘に嘘を重ねてかわいそうな情弱(情弱というのは、要するにメディアリテラシーが低い人たちというふうに理解していいだろう)から金を巻き上げていたりチャンネル登録者を増やしていシバさんとか有名政治家もだましたりと、大炎上している。わざと逮捕されるような軽犯罪を犯して既存メディアにも名前を拡散させてチャンネル登録を増やす「炎上商法」というやり方も行われている。

この岐阜の高校生に限らず、多くのティーンエイジャーが動画をアップして、驚くべき影響力を獲得している。

この事態は社会が大きく変わる可能性を秘めていると思う。というのも、権力構造が変わる可能性があるだろう。既存のメディアは資本主義、これももう完全に陳腐化してしまってたとえば電通や大手航空会社、鉄道会社は、感染症で人々が出歩かなくなっただけで、これまで通りの企業活動、収益活動はできなくなった。政府や日銀が株や社債を買って何とか支えられている有り様だ(一部大企業限定のベーシックインカム、ぜんぜんベーシックじゃないけど!!)。メディアはこの間、「権力」としての地位は自ら喜んで放棄した。大手テレビ局の幹部が相次いで安倍前首相と会食したりしている。また、「忖度報道」といって、何にこびているか分からんが政府のご機嫌を損ねないように、当たり障り無い、翼賛報道しかしなくってしまった。もはや既存の大手メディアは(NHK-BSなど見ている人が高齢のインテリである場合を除き)権力の監視装置どころか、タダの権力の「犬」(ぽち)に成り下がった。

第四の権力の地位は、いまやユーチューバーに無償で解放されている有り様だ。しかも、そのユーチューバーは若くて、魅力的で元気があり、おもしろおかしい人が多くのチャンネル登録者を獲得する傾向がある。ゴシップ、ポルノ、スポーツ? 大昔から人々が熱狂してきた、おなじみの題材である。

ただまあ、「ボッチ系」といって、何か悲惨な境遇を投稿し、一定の評価を獲得しているユーチューバーも多い。次の二つを最後に紹介しよう。とにかくあらゆるジャンル、あらゆる階層から、膨大な数の「表現者」が権力の座を目指してしのぎを削っているように見える。高校生や、独身中年男性などは社会のなかではどちらかというと弱者だった。彼らは、発信者になることによって力を獲得しつつある。私は、ベーシックインカムが導入されることにより、この動きが加速し、社会構造はいよいよ資本主義の次の段階へと大きく舵を切る巨大な運動が始まると考えてる。

イケメン?な独身中年男性のソロキャンプ。人の不幸は蜜の味。


さらにこれ。独身57才で専業主夫状態のおじさんのなんてことない動画も数日で数万回の視聴。1995年にわざわざちゃんとした写真館で写真を撮って、テレビ局のアナウンサー(だったかな)の入社試験を受けてメディアに関わろうと試みた私からすれば(もちろん落ちたが)、こういうかたちで「有名人」になって発信力を獲得している人が日々爆誕しているいまの世界は毎日が驚愕しかない。同じ「主夫」(アンペイドワーカー)としてはまさに人生の師匠とあがめて勝手に尊敬している。


すいません、二つじゃなくもう一個。最近バカな政治運動団体が市民無視の銭ゲバ住民運動を展開したが、やはりこれもユーチューバーから異論が寄せられて彼らの目論見は頓挫した。大学教授をゲスト出演させて大阪都構想に全力で反対した哲学入門チャンネル。まさにすばらしい。

最後に再び高校生シリーズ。おなじみヘライザー。お母さんに端末を取り上げられ絶句。


ちなみに、最近私は近所のイケメンな若者や、小学三年の娘から、微妙な秋波を受け取っていてものすごくそわそわする。

これ以降は後日の追加なのだが、本項を読むとみんながメディア=権力にすぐ手を伸ばせる時代になったという主旨。その例として高校生とか、全くの無名の在野哲学者のYouTubeでの驚くべきチャンネル登録者数を紹介した。

ところでさっき、私の仕事上の付き合いのある知人の某SNSへの投稿を目にして、絶句してしまった。まあ理由や詳細は書かないけれども、読後、かなりな違和感が残った(大枠だけ言うと、普段柔和で知的なのに、まあそうではない投稿だったと言うことで)。彼の単文投稿を見る前とみたあとで彼に対する振る舞いを変えないように気をつけないといけないかもしれない(もとより、その内容への違和感をいい述べるつもりは一切ない)。そして、もちろん自分もまた人にそういう印象を与えているに違いないとちょっと思ってビビってしまった。怖。

メディアだ表現だと興奮して手軽で費用も掛からないからと動画投稿を私のようなADHDがノリと勢いではじめたら、それらが想定外のトラブルの原因になることはこれはもう間違いないどころかもはや自明。

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