簿記、信用創造、消費税、グローバル市民

この動画はなかなかに興味深い。森井さんが指摘していることは、ウソでも間違いでも何でも無く、政府も自分で公表していることばかりだ。マスコミや、一部の間違った思い込みにとらわれた与党政治家、メディアのせいで、真実を見る目がくもってしまっている。


財源がー、社会保障費がー、将来世代への先送りがー、インフレがー、とさけんでそのあと突然思考停止となる人も多いが、丹念に簿記の方法で銀行とか、日銀の経理をあらためていけば、消費税は本当にダメで(森井さんが言うとおり、働く人をどんどん不幸せにするし、消費だって冷え込ませる点でいいことが一個もない。単に取りやすいと言うだけだ)、また、財源論を持ち出す輩は、銀行の信用創造のことをまったく理解していない、単なる知識不足の輩と言わざるを得ない。

そうはいっても、日本人というのはまわりや、家族、親戚に対して何か恥ずかしいこと、劣後したことは絶対に出来ない国民性を持っている。だから、死にそうになって生活保護に行っても、扶養照会やると聞いただけでふるあえがってひいそれだけは、となり、死を選ぶ。

ところで、扶養紹介については、絶対条件では決してない。周りに連絡が取れる親族がいない。親族の連絡先がまったく分からない場合であって、目の前の生活困窮者が死にそうであれば、ただちに生活保護を支給するべきだと事務連絡をしている(2020年9月)。メディアは、扶養照会を理由に生活保護に踏み切れない人も多い、とだけ報じるが、こういう報じ方というのは、倫理的に間違っていると思う。かならず、扶養照会が必須ではないと言うことも書き添えなければ、そのメディアは、貧者の見方などではなく、貧者を嘲笑し、読者にそうではないことを思い至らせて優越感をおぼえさせるだけの炊きすべき貧困ポルノである。

話を戻すが、恥を理由に、本来権利として当然に得られる保護申請を躊躇する。こんなのまさに切腹侍である。正直バカみたいでイヤになる。私などすべての親族に年賀状で今年は生活保護を申請するので、扶養照会が行くと思う、どうか、扶養出来そうなお金持ちの方がいたら、一週間以内に私に振り込んで下さい、振込先はこれこれ、手数料は負担してねと書くことに躊躇しない(実際にはやっていない)。なぜならその金は、私を支える金ではなく、市民社会を支える金だからだ。そういう金の使い方を、親族にさせてあげようとしているんだから、恥ずかしいなんて感情が湧くはずがない(親族と比較的交流を持ち、また、金持ちが少なくない)。

森井じゅんはちょっと勢いで、こっち系?反ネオリベ系のよくある主張をぺらぺらと話しているに過ぎない。私はむしろこの動画で、反ネオリベに関心を持ったのなら、ぜひこの動画を見てほしいと読者に提案したい。浜矩子先生のグローバリズムに関する若者向けの講義。

「国家が果たすべき社会的役割、その最も基本となるものは弱者救済。弱者救済のために公共サービスを提供する、というのが国家という、サービス事業者にたくされたほとんど唯一かつ最大の命題である。われわれ市民たちが、国民という立場を自ら容認するのは、そうした公共サービス提供事業者たる国家の機能や能力に一定の信頼を置いているからである。弱者救済というサービスを継続的に、きちんと提供してもらうためにわれわれは税金を払って国家を養っておる」

国民と国家の関係について33分くらいで先生がこう述べているが、これを聞くと生活保護の申請をすべき権利を、意味の分からない理由で放棄する国民というのは完全に間違っているし、意味が分からない、なんで税金を払っているのか。なんで国民なのか。そういう問いが無効になってしまうと言う意味で、(親族への扶養照会が恥ずかしいから生活保護をできるのにしないとか、うわべだけ報じる貧困ポルノメディアは)害悪でしかない。

あとこの部分は、1986年のマーガレットサッチャーの「社会は存在しない」というのと鮮やかに対比される。


「知的に目覚めていること。ぼーっとしているといつしかとんでもないモノに巻き込まれたり、だまされる。いつも、知的に目覚めて、360度まわりを鋭く見つめ続けてほしい」――かっこいいな、そうだな。ぼーっと、まわりと同調しているような態度の末路として生活保護の申請辞退からの餓死があるわけで。

まわりのウツ病質の知り合いなんか見てても、元気がなくなると、知的に、はおろか、普通に目覚めていることすらむずかしくなる。やっぱり社会、とりわけ政治は、私たちの生命身体安全の基本になる領域で、それを、代議士に託している。当然、ちゃんとやっているのかどうか、常に見張っていないといけないし、そのことはいろいろな法律に書いてる。国民の不断の監視を要求する法律は多い。今の自民党のクソダメぶり(ネオリベ翼賛で格差拡大も放置とか、古くさい資本主義の成長神話にかじりついてみるだとか)はうちら国民が「知的に目覚めて」いないことの裏返しだろう。

そうはいってもたいへんだからなー。もっと楽しく知的に目覚める方法って無いかな?

なお、簿記で信用創造を解き明かす動画は、森井じゅんさんよりこっちのほうが分かりやすい。



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