気味が悪く、害が多く、手の施しようのない邪悪な人間について

 


親が子どもを不適切にしつけたり、愛情を注がない、ネグレクトする、そうした結果、子どもは当然のことながら抑うつ状態に陥る。子どもは「見なし患者」という状態になって精神科医の元に連れてこられる。

親は、社会的地位の有無に関わりなく、精神科医に子どもがそうなったことの原因のすべてが、自分たちの側にあるということを知らされると、ゾッとするような反応を示す。

著者の精神科医が、「家に帰りたくなる」「診察を終わって彼らに部屋から立ち去ってほしい」と言わせしめる。そのゾッとする反応を、一言で言えば、精神科医のそうした診断をせせら笑い、拒否する態度だ。彼らは、精神科医の診断やコメントを全力で、事もなげに否定する(私は医師の診断を否定するなんてことが出来る人がいること自体が衝撃だった)。邪悪な親は子どもを完全に支配しており、愛情はまったく注がない。その結果子どもが精神疾患を患っても、自分たちのせいだとは絶対に、一ミリたりとも認めない。

精神科医とのやりとりの中で明らかになるのは、邪悪な人間は「平気でウソをつく人たち」だと言うことだ。ウソは、彼ら自身の不都合をごまかしたり、直視しないで逃避したり、問題が自分たちの方に向かってこないようにするために、完璧に、全力でウソが紡ぎ出される。

最近、国会で嘘つきが目立っている。トランプ前アメリカ大統領も、合計で数百回のウソをついたと報じられているし、安倍前総理も、新聞報道で、100回以上ウソをついたことが調べられている。

嘘つきは、他人にも自分にもウソをつく。

さて私は塾を経営してきたけれども、生徒に「見なし患者」状態の子がいた。私はしかるべき専門機関を生徒本人に紹介せざるを得なかった(どのクリニックに行くべきか、保険証の場所、予約のための電話番号など)。その後、親は、精神科医に電話で、子への態度をあらためるよう定期的に「指導」されることとなった。

邪悪性の最大の犠牲者は、もちろん子どもである。子育てに関わり続ける者として、この本はすべての親にしっかり読んでもらいたいと願っている。

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